アセロラの直径は約2〜3cm、重さは6〜10g。かわいい、さくらんぼのようなカタチをしています。
色も熟すると濃い紅色になり、リンゴに似ている香りも特徴です。
口に入れると、皮は柔らかくて、甘い中にもちょっとすっぱい味。その風味には野生の素朴さも。
しかしアセロラの実はとてもデリケート。樹上で熟成するとスグに痛みはじめてしまいます。
そのため産地でなければなかなか口にすることはできません。
アセロラの発祥地は、カリブ海につらなる西インド諸島です。アメリカに近いところではバハマ、ジャマイカなどになりますが、この地域に住む原住民は古くから、自然の恵み「アセロラ」を食べて元気に過ごしてきました。
そして15世紀。大航海時代にこの地から、スペイン人やイギリス人の船乗りが本国に持ち帰ったことなどから、アセロラは世界に広がっていきました。
日本に初めてアセロラが上陸したのは1958年。
沖縄熱帯果樹の父・ヘンリー仲宗根氏(※)が、アセロラの挿し木8本を持込み、名護農業試験場に植えたのが始まりです。(名護農業試験場談)
※ヘンリー中曽根氏:1947-48年に当時の琉球政府からの要請で来日。以来、琉球政府の委託を受けて、沖縄に熱帯果樹、花き、野菜の普及促進につとめた。
現在アセロラの世界最大の産地と言われているのは南米ブラジルです。
他には、カリブ海、ハワイ、グアム、ベトナム、そして日本でも沖縄県や鹿児島県などで栽培されています。
熱帯気候や亜熱帯気候、気温で言えば25〜32℃ぐらいの地域を好んでアセロラは育ちます。
太陽の恵みをたっぷり受け、暖かい気候で育成する果実は一般に、寒帯や温帯の果実よりもビタミンやミネラルを高い割合で含んでいると評価されています。
また、温度とともに重要なのは乾燥。一定量の土壌水分さえあればよく育ちます。湿度が高いと樹全体に病害が発生しやすくなるのです。
アセロラはその真っ赤な果実に、レモン果汁の約34倍、100g中に1700mgという豊富な天然ビタミンC量を含んでいます。他の同量果実と比較しても、例えばいちごは62mg、キウイは69mgで、その差は歴然です。
では、なぜアセロラに、そんなにビタミンCが豊富に含まれているのでしょうか?
その要因のひとつが紫外線です。
植物は紫外線から身を守るために、ビタミンCを大量に合成しているのです。
他にも植物が紫外線防御などに利用する物質として、赤ワインなどで一躍有名になったポリフェノールがあります。特に熱帯の植物は、高温で強い紫外線が降りそそぐ過酷な環境下で成長していくため、生き延びる術としてポリフェノールのような物質を多く含んでいます。また、色が濃いほどポリフェノール量が多いと言われています。
熱帯気候を好んで育つアセロラにも、ポリフェノールが含まれています。ニチレイの研究によると、アセロラ果汁に含まれるポリフェノールは、ぶどうやいちごに含まれるシアニジン配糖体、いも類に多いぺラルゴニジン配糖体、さらに、たまねぎに含まれるケルチセン配糖体などによって構成されていることが確認されています。
アセロラはとってもデリケート。収穫後2〜3時間で痛み始めてしまうという性質からも商品化が難しかったのですが、それを克服したのがニチレイの冷凍技術です。冷凍により果実の損傷を防ぎ、ビタミンCの残存率を高い状態で運搬できることに着目し研究を重ねた結果、1984年アセロラ商品化に成功しました。
またニチレイでは、高い品質のアセロラを使用するため、「ニチレイ・アセロラ・スタンダード」(通称NAS)という厳しい基準を設け、一粒一粒手摘みで大切に収穫しています。